好きだった女の子の話パート2~The Story Of A Girl Who I Had A Crash On: Part 2~
どうも、Sotaです。
今回は昨日の記事
onecountrysidejpnboy.hatenablog.com
の続きになります。
前回の記事の最後でマリちゃんに
「私は2世で、親に男女交際は認められない。」
と言われた僕ですが、
言われた瞬間は完全に思考が停止してしまいました。
僕が硬直していると、彼女は続けて
「私の親は○○っていう宗教に入っていて、私も生まれたときからその信者なの。」
「今まで毎週集まりがあるって言っていたのは、その宗教の集会」
「地元に好きな人がいたというのは嘘。そう言えば引き下がると思っていたから。」
「あの日泣いていたあなたにハグをしたのは、そうするように教わってきたから」
「隠していてごめんなさい。」
(※宗教の名前は伏せさせていただきます)
僕の中ではいろんな、本当にいろんな感情が巡っていました。
”裏切られた”
”言っていることが理解できない”
”そもそも○○って何の宗教だ?”
”え、じゃあ今までのしてきたことは一体…”
そう思った瞬間、悲しくて悔しくてまた涙を流してしまいました。
そのあと、彼女にこう聞きました。
「なんで、今までずっと隠してたの?」
彼女は答えました。
「世間では宗教っていうのはあまりいいイメージを持たれていないから。ここに来てからまだ誰にも言っていない」、と。
僕はそれを聞いたとき、「いいことだと自分が思うなら堂々と言えばいいじゃないか!」と言った記憶があります。そういう問題ではないんだよなぁ…個人が許しても社会がそれを許さない、なんて話はよくあります。あの時僕は、このどうしようもない気持ちをただひたすらぶつけたかっただけなのだと思います。
そして、動揺して冷静さを失った僕は彼女に
「自分もその宗教に入信したら君と一緒にいられるのか?」
とすがるように聞きました。
僕は大バカ者なんです。物事の後先みたいなのを考えないところがあります。
彼女の答えははもちろん”NO”
当たり前じゃないですか。彼女は僕に異性としての好意など、最初から向けていないのですから。
「わかった。それでも今まで通り友達として一緒にいられればそれでいい。」みたいなことを吐き捨ててその日は帰りました。
次の日から、僕はその○○という宗教について調べました。
彼女はいったい何を信じているのだろうか、世間はそれに対しどう目を向けているのか。
僕なりに彼女を理解しようとしたのです。
そうしたら、なかなかのカルト宗教の一つということがわかりました。
正直に言えば、とてつもない拒絶反応を起こしました。
吐き気がする。
気持ち悪い。
理解できない。
そこからしばらくは、彼女との距離を置いていました。
彼女への好意と、その宗教に対する憎悪のようなものが混ざり合っていたのです。
そんな折、彼女から連絡が来たのです。
「人間関係がうまくいっていない。友達といてもあまり楽しくない」、と。
僕は彼女にできることなら何でもしていました。彼女の相談に乗り、話を聞いたり、と…
嬉しかったのです、彼女が自分を頼ってくれたことが。自分を特別に思ってくれているのでは?とも思っていました。
それから、また彼女に会うようになりました。
時々デートのような形で出かけたりしていました。
僕の中では、”きっとこのまま友達のままいられるのだろう”
そう思っていました。
ですが、その願望のようにもとれる期待は突然終わりを迎えます。
彼女の誕生日が近づいてきて、僕は何をしようかな、なんて考えていた時でした。
彼女からまた、「話がある。」とだけ連絡が来て、いままで共通の保存していた写真のアルバムがすべて削除されていました。
彼女になぜそうしたか聞いても答えてはくれませんでした。
ただ、大切にしていた思い出が壊されるのをみることはとてもショックでした。
それから彼女は淡々と会える日付、そして時間を聞いてきました。
こちらの都合で合わせると言っていたのですが、場所だけは彼女が要望していたので、
場所も僕が選ぶことを条件にしました。怒りや落ち込みをこういった小さな意地悪で伝えようとでもしたのでしょうかね、なんとも器の小さい男だと自分でも思います。
一方で、僕の中では思い出を消されたことから彼女に対する好意は完全に冷めていました。
心底どうでもいいと思っていました。
僕は単純な生き物なのです。
約束の日がやってきました。バックレてやろうかとも思いましたが、僕自身のケジメをつけるためにも、待ち合わせに時間きっかりに現れる僕。ちなみに近くのカフェでした。
そこにいたのは彼女と彼女の母親でした。
これには僕もびっくり。驚きを隠して平然を装い席に着きました。
彼女の母から軽く自己紹介をされた後、そこから先はあまりよく覚えていません。
彼女は手紙を書いてきていました。
ただひたすらに、棒読みで読まれた手紙の内容など、僕には全く響かなかったのです。
手紙を読み終えた彼女は他に何も話しませんでした。
あとは、彼女の母親からもう彼女には今後一切関わらないで欲しいということを淡々と伝えられました。
正直、相手が感情的になってくれていた方が、僕ももっと話す気持ちになったのかもしれないです。
僕は一言だけ「はい、ご安心ください。もう今後一切かかわるつもりはありません。」
と告げて席を立ちました。
何も入ってこなかったのです。耳をふさいでいたのと同じでした。
出来れば早く去りたかったのです。
ただ、ひたすらに逃げたかったのです。彼女から、そして自分が置かれている現実から。
その後は一切の関係を断ち現在に至ります。
特にこの話にオチはありません。
さて、2世というのは2世信者、親が宗教入信しており、生まれた時からその教育を受けて育ったというものであると僕は認識しておりますが
そこから抜け出すことは容易ではありません。
生まれた時からその宗教の教えに従う。カラスは白いと教え込まれていたら、そう思うしかないのかもしれません。
僕は、その価値観は狭く、愚かなものだと思っていました。目に見えるものこそが現実だと、宗教にはまるのは心が弱いからだと、そんな風なことを考えていました。
後々価値観が狭いのは僕のほうだったと後から気づかされました。多様性の中で生きているこの社会では、どんな宗教も認められています。そして、人は一人では生きられないからこそ、何かを拠り所にする術を覚えたのだと考えました。僕には僕のよりどころがあって、彼女には彼女の拠り所がある。
彼女にとっての幸せは、彼女がその宗教にいるからこそ得られるものなのだと、今となっては思います。2世信者がすべて可哀想だとか不幸せだとか、それを決めるのは他者ではなく自分自身なのであると。
僕は彼女に出会えてよかったと思っています。いろんなことで後悔はしましたが、彼女からいろいろなことを学ぶことが出来ました。
客観的に見ればあきらめの悪いしつこい男にしか見えませんね。笑
”引き際が肝心だ” と胸に刻むことにします。
こんなオチもなく長い僕の失恋話を最後まで読んでくれた方、ありがとうございました。
最後に、彼女が今幸せであることを願って、終わりにしたいと思います。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
また次の記事でお会いしましょう。
Sota